PoWおよびPoSを超えて: Xeneaの独自コンセンサスアルゴリズム「Proof of Democracy（PoD）」- 第1部: コンセンサスアルゴリズムの進化を探る

Xeneaについて

2024年10月15日2024年11月9日

参照元：https://xenea.io/blog/20241009-en

ブロックチェーン技術は、分散型台帳システムとして革命的な可能性を秘めています。その中心にあるのが、ネットワーク参加者間のコンセンサスアルゴリズムです。これらのアルゴリズムは、初期のProof of Work（PoW）からProof of Stake（PoS）へと進化し、今もなお新たな形が開発されています。

このトレンドに伴い、Xeneaは独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of Democracy（PoD）」を開発しました。これはPoWやPoSとは異なる全く新しいアプローチです。本記事では、PoDの革新性について2部構成で解説します。第1部では、既存のコンセンサスアルゴリズムに焦点を当て、PoDの特徴を浮き彫りにします。

Contents

Proof of Work（PoW）
Proof of Stake（PoS）
結論
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Proof of Work（PoW）

PoWの概要

Proof of Work（PoW）は、ビットコインの創設者サトシ・ナカモトによって導入されたコンセンサスアルゴリズムです。PoWでは、マイナーと呼ばれる参加者が複雑な数学的問題を解決し、新しいブロックを生成してブロックチェーンに追加します。

PoWのプロセスは以下の通りです：

マイナーがトランザクションを収集し、新しいブロックを準備する。
ブロックをチェーンに追加するために、特定の条件を満たすハッシュ値を計算する。
正しいハッシュ値を最初に見つけたマイナーが、そのブロックをネットワークにブロードキャストする。
他のマイナーがそのブロックを検証し、正当性が確認されると、最初に正しいハッシュ値を見つけたマイナーに報酬が与えられる。

PoWの利点と欠点

利点

高いセキュリティ

PoWの最大の利点は、その強固なセキュリティにあります。ネットワークを乗っ取るには、全体の計算能力の半分以上を支配する必要があり、ほとんどのマイナーにとってこれは経済的に不可能です。例えば、ビットコインネットワークの場合、51%攻撃に必要なコストは1時間あたり129万ドルに上ります（2024年10月9日現在、PoW 51%攻撃コストによる）。

欠点

環境への悪影響

PoWは膨大な計算能力を必要とし、それには多くのプロセッサーが必要であり、大量のエネルギーや資源が消費されます。

中央集権化のリスク

PoWは多額の資本投資を必要とするため、新規の小規模なマイナーが参入するハードルが高くなり、少数の大規模なマイナーに権力が集中する中央集権化のリスクが高まります。

スケーラビリティの制約

PoWはトランザクションの確認に時間がかかり、スケーラビリティが制限され、大量のトランザクションを処理するのが困難です。

Proof of Stake（PoS）

PoSの概要

PoWの課題を克服するために、新たなコンセンサスアルゴリズムとしてPoSが登場しました。現在、PoSはブロックチェーンにおける標準的なコンセンサスアルゴリズムとして使用されています。

PoSでは、バリデーターはネットワークにネイティブトークンをステーク（預けること）することで、ブロックを生成する権利を得ます。ステーク量が多いほど、ブロックを生成する確率が高くなります。これは、参加者のネットワークへのコミットメントを反映するものと考えられます。また、インセンティブとペナルティをうまく組み合わせることで、ネットワークの健全性とセキュリティを維持します。

PoSのプロセスは以下の通りです：

ネットワークは、ステーク量や期間、ランダム性などの要因を考慮してバリデーターを選択します。
選ばれたバリデーターが新しいブロックを生成し、ネットワークにブロードキャストします。
他のバリデーターがブロックを検証します。
ブロックが正当と判断された場合、その生成者に報酬が与えられます。
バリデーターの不正行為が発見された場合、一部のステークがスラッシング（没収）されます。

PoSの利点と欠点

利点

低環境負荷

PoSは、ブロック生成に高い計算能力を必要としないため、エネルギー消費と環境負荷が軽減されます。

ネットワークの分散化を促進

高価なマイニング設備を必要としないため、多くの個人がバリデーターとして参加しやすくなり、ネットワークの分散化が進みます。

高いスケーラビリティ

PoWのような計算競争がなく、バリデーターがあらかじめ選ばれてブロックを生成するため、ブロック生成が迅速で、スケーラビリティも高くなります。

欠点

最終的な中央集権化のリスク

PoSは、ステーク量が多いほど報酬を得る機会が増えるため、「金持ちがますます裕福になる」という状況が構造的に生じ、最終的には中央集権化に繋がるリスクがあります。

初期トークン分配の不平等

チェーンを立ち上げるためには、初期バリデーターが一定量のトークンを保有する必要があり、これが特定の組織や個人を優遇する可能性があります。

長期的なセキュリティの維持が困難

PoSを採用するネットワークへの攻撃は、多くのステークされたトークン（通常は3分の1以上）を取得することで可能になります。トークンの価格が高いことで取得が難しくなりますが、多くのチェーンにとってこの状況を長期間維持することは非常に困難です。

結論

ブロックチェーン技術の発展は、コンセンサスアルゴリズムの進化と密接に関係しています。PoWとPoSはそれぞれ利点と欠点を持ち、ネットワークのセキュリティと効率性に大きな影響を与えます。PoWは高いセキュリティを誇る一方で、膨大なエネルギー消費という課題に直面しています。一方、PoSは環境に優しい反面、ステークに関する利益集中や将来のセキュリティ低下のリスクがあります。

これらのアルゴリズムの特徴を深く理解することは、Xeneaが導入した「Proof of Democracy（PoD）」のような次世代コンセンサスメカニズムを評価する上で重要です。PoDは既存システムの利点を受け継ぎつつ、その欠点を克服することを目指した革新的なアプローチを取っています。

第2部では、XeneaのPoDの詳細について紹介し、その革新性と利点に焦点を当てます。

次回：PoWおよびPoSを超えて: Xeneaの独自コンセンサスアルゴリズム「Proof of Democracy（PoD）」- 第2部: ブロックチェーンのセキュリティと安定性の向上